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夢の話。 将来どうなりたいという話ではなく寝ている時に見ている夢。 私の意識がない間にもう一人の自分が作った作り話。
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給食の時間がやってきた。
どうやら私は中学生らしい。
教室の机を、隣や後ろの人と向かい合わせにしてグループになって食べるようだ。
向かい合わせたそれぞれの机の高さの凹凸に、違和感を覚える。

給食はカウンターにもらいにいく。
プラスチック製の白いトレーを手に持ち、列に加わる。
トレーの上には平たいお皿が一枚あるのみ。

そこに、配膳のおばさんがお玉で何かを乗せてくれた。
よく見ると体長12~3センチの丸みがある魚だ。
銀色に鈍く光ってるその魚は、弱々しく動いている。


生きた魚を丸ごと食べるのが今日の給食だそうだ。
しかし、その魚を見て私はなぜか金魚だと思った。

―――生きた金魚をそのまま食べるなんて!

そんな感情を抱きながら、白いトレーに丸みがある魚(私は金魚だと思っている)1匹を乗せて私は自分の席に戻った。
足取りはとても重たい。
とても悲しい気持ちになっていた。

―――金魚なんて・・・金魚なんて、食べられない。

金魚を食べることが気持ち悪いからそう思ったわけではない。
大好きな金魚を食べてしまう罪悪感からだ。
そして、金魚がどうして給食に出てくるのか理解できなかったからだ。
魚なんて星の数ほど種類があるのに、よりによってどうして金魚?

白いトレーを机に無雑作に置き、怒りと悲しみと理解できない感情から私は小さく叫んでいた。

「何で金魚?何で金魚が給食!!」

口走ると同時に私は教室のドアに向かって走ろうとしたその瞬間、クラスメイトが
「金魚、食べないんだったら可愛そうだからこの水槽に入れて」

彼もまた悲しげな目をしていた。

そして彼の視線の先に目をやると、今まで置いていなかった水槽が置いてある。
机を4~5個固めて並べた先頭に、水槽が置いてあるのだ。
水槽と言っても不思議な形だ。
厚みは12~3センチで幅は机を2個並べたぐらいの長さ。
高さは、人の腰と胸の辺りの高さ。
これが、私のグループのところにだけ置いてある。

私は自分のトレーから魚が入った丸い平たいお皿をそっと持ち上げ、優しく水槽に入れた。
すると魚は静かに泳ぎだす。
ほっと安心した気持ちにはなったものの、どうしても怒りと悲しみが収まらない。

もうここに居たくないという気持ちだったのか、悲しみと怒りが入り混じった複雑な感情から逃れたかったのか自分にもよく分からなかった。
気がついたら教室のドアに向かって走っていた。
―――何で金魚?どうして金魚?
そんなことを思いながら。

ドアの外の白い光に吸い込まれるように、私は走っていった。














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